もう手書きは古い!POSレジやアプリで楽する美容室の棚卸|在庫管理を自動化する方法

深夜に及ぶ美容室の棚卸、数え間違いや記入ミスにうんざりしていませんか?その面倒な作業は、POSレジや在庫管理アプリで劇的に効率化できます。本記事では、手書きやExcelから脱却し、棚卸を自動化する方法を徹底解説。作業時間を短縮し、正確な在庫データで経営を改善するメリットから、おすすめのPOSレジ・アプリ5選、失敗しない選び方のポイントまで、あなたの悩みを解決する情報が満載です。

\あわせて読みたい/

目次

1. 美容室の棚卸が大変すぎる!よくあるお悩みとは

年に1〜2回、あるいは毎月行う美容室の棚卸。サロン経営において非常に重要な業務ですが、「とにかく大変で憂鬱…」と感じているオーナーやスタッフの方は多いのではないでしょうか。ここでは、多くの美容室が抱える棚卸に関する共通の悩みについて掘り下げていきます。

1.1 時間がかかりすぎる深夜までの作業

棚卸作業の最も大きな負担は、その作業時間です。多くの場合、お客様のいる営業時間内に行うことは難しく、全スタッフが終業後に残って作業を開始します。シャンプーやトリートメント、大量のカラー剤、スタイリング剤など、細かく多岐にわたる商品を一つひとつ手作業で数えるのは、想像以上に骨の折れる仕事です。営業で疲れた体に鞭打って深夜まで作業が続き、スタッフの貴重なプライベート時間と体力を奪ってしまうことは、モチベーション低下の大きな原因にもなり得ます。

1.2 数え間違いや記入ミスが頻発する

手書きの棚卸表やExcelへの手入力といったアナログな方法では、どうしても人的ミスが発生しやすくなります。特に、深夜の疲労がピークに達した状態での作業では、「数を数え間違える」「違う欄に記入してしまう」「数字を打ち間違える」といったミスが頻発します。似たようなパッケージのカラー剤や、使用途中の薬剤の残量確認など、判断が難しい商品も多く、小さなミスが積み重なって在庫数に大きなズレを生じさせることも少なくありません。後からミスが発覚し、再確認のために膨大な時間を費やすケースもあります。

1.3 正確な在庫数が把握できず経営に影響が出る

棚卸の最大の目的は、資産である在庫を正確に把握し、経営状況を明らかにすることです。しかし、数え間違いや記入ミスによって在庫データが不正確だと、その目的を達成できません。例えば、「まだ在庫があると思っていた薬剤が欠品し、お客様の施術に影響が出た」「売れていると思っていた店販品が、実は大量の不良在庫だった」といった事態を招きます。これは販売機会の損失やキャッシュフローの悪化に直結し、適切な経営判断を妨げる深刻な問題につながるのです。

2. そもそも美容室で棚卸が必要な理由を考える

「ただ数を数えるだけの面倒な作業」と思われがちな棚卸ですが、実は美容室の経営を健全に保つために欠かせない重要な業務です。なぜ時間と手間をかけてまで棚卸を行う必要があるのでしょうか。その3つの理由を具体的に解説します。

2.1 正確な利益を計算するため

美容室の正確な利益(売上総利益)を把握するためには、棚卸が不可欠です。利益は「売上高」から「売上原価」を差し引いて計算されますが、この売上原価を算出するために期末の在庫金額が必要になります。

【売上原価の計算式】
期首商品棚卸高(年度開始時の在庫額) + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高(年度末の在庫額)

カラー剤やパーマ液、店販用のシャンプー・トリートメントといった在庫は、仕入れた時点では経費にならず、お客様への施術で使用したり販売したりして初めて「売上原価」という経費に変わります。つまり、期末に残っている在庫の価値を正確に把握しなければ、その期間の正しい利益を計算できないのです。どんぶり勘定の経営から脱却し、的確な経営判断を下すための第一歩が棚卸です。

2.2 在庫ロスや過剰在庫を防ぐため

定期的に棚卸を行うことで、帳簿上の在庫数と実際の在庫数を照らし合わせることができます。この作業により、日々の運営では見えにくい問題点が明らかになります。

例えば、数が合わない場合は、発注ミスや破損、紛失、盗難などの「在庫ロス」が発生している可能性に気づけます。また、どの商品がどれくらいの期間で消費・販売されているかをデータで把握できるため、売れ筋商品や長期間動いていない「死に筋商品」が明確になります。これにより、人気商品の欠品による販売機会の損失を防ぎ、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化を未然に防ぐことが可能になります。

2.3 確定申告で必須の業務だから

棚卸は、法人・個人事業主を問わず、年に一度の決算および確定申告で法律上義務付けられている業務です。棚卸によって確定した期末の在庫金額は、貸借対照表に「棚卸資産」として計上し、売上原価を正しく計算するために必要不可欠な数値となります。

もし棚卸を怠り、在庫を資産として計上しないまま確定申告を行うと、利益を過少に申告したとみなされ、税務調査で指摘されるリスクがあります。追徴課税などのペナルティを避けるためにも、棚卸はルールに則って正確に行わなければなりません。

3. 手書きやExcelはもう古い!美容室の棚卸を効率化する方法

深夜にまで及ぶ手作業の棚卸は、時間と労力がかかるだけでなく、ミスも発生しやすくなります。しかし、テクノロジーを活用すれば、これらの課題は解決可能です。ここでは、美容室の棚卸業務を劇的に効率化するための具体的な3つの方法をご紹介します。

3.1 POSレジを導入して在庫管理を自動化する

POS(Point of Sale)レジは、単なる会計機能だけではありません。最新のPOSレジには高度な在庫管理機能が搭載されており、店販商品やカラー剤などの商材が売れたり、施術で使用されたりするたびに、システム上の在庫数が自動で更新されます。商品マスタにシャンプーやトリートメント、スタイリング剤などを登録しておけば、会計と同時に在庫が減る仕組みです。これにより、日々の在庫変動がリアルタイムで記録されるため、棚卸作業は「実在庫を数えてデータと照合するだけ」というシンプルなものに変わります。手作業での集計や計算が不要になり、作業時間を大幅に短縮できます。

3.2 在庫管理アプリやシステムを活用する

「POSレジの導入はコストや規模の面でハードルが高い」と感じるサロンには、在庫管理に特化したアプリやクラウドシステムの活用がおすすめです。スマートフォンやタブレットにアプリをインストールするだけで、手軽に在庫管理を始められます。これらのシステムは、商品の入庫・出庫・使用履歴を簡単に記録でき、棚卸機能も備わっているものがほとんどです。既存のレジと併用できるため、低コストで在庫管理のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を実現できます。まずは特定の商材から試験的に導入してみるのも良いでしょう。

3.3 バーコードリーダーやハンディターミナルを併用する

POSレジや在庫管理アプリの効果を最大限に引き出すのが、バーコードリーダーやハンディターミナルです。棚卸の際に、商品のバーコードをスキャンするだけで、商品情報と数量を瞬時にシステムに登録できます。手書きでの商品名の記入や、目視でのカウントといったミスが発生しやすい作業が一切なくなります。「ピッ」と読み取るだけで作業が完了するため、スタッフの負担を大幅に軽減し、棚卸の正確性とスピードを飛躍的に向上させることが可能です。特に商品点数が多い大規模なサロンほど、その効果は絶大です。

4. POSレジやアプリで美容室の棚卸を行うメリット

手書きやExcelによる棚卸しは、多くの時間と労力を要するだけでなく、ミスが発生しやすいという課題がありました。しかし、POSレジや在庫管理アプリを導入することで、これらの課題は劇的に改善されます。ここでは、システム化によって得られる具体的な4つのメリットを詳しく解説します。

4.1 棚卸作業の時間を大幅に短縮できる

これまで営業後や休日にスタッフ総出で行っていた棚卸作業。POSレジやアプリを導入すれば、バーコードをスキャンするだけで在庫数が自動的にシステムに登録・集計されます。手作業でのカウント、紙への記入、Excelへの入力といった一連の作業が不要になるため、作業時間を圧倒的に短縮できます。深夜までの残業や休日出勤をなくし、スタッフの負担を大幅に軽減できることは、経営者にとっても大きなメリットと言えるでしょう。

4.2 人的ミスがなくなり在庫の正確性が向上する

手作業の棚卸で避けられないのが、「数え間違い」「転記ミス」「入力ミス」といったヒューマンエラーです。これらの小さなミスが積み重なると、実際の在庫数とデータ上の在庫数に大きなズレが生じ、経営判断を誤らせる原因にもなりかねません。システムを導入すれば、手作業によるミスそのものがなくなり、在庫データの信頼性が飛躍的に向上します。正確な在庫数を把握することは、健全なサロン経営の第一歩です。

4.3 リアルタイムで在庫状況を可視化できる

年に数回の棚卸では、その時点での在庫数しか把握できません。しかし、POSレジやアプリを導入すると、店販商品の販売や施術でのカラー剤使用時にデータが自動で更新されるため、「今、どの商品が、何個あるのか」をリアルタイムで正確に把握できます。これにより、「人気商品が欠品して販売機会を逃す」「売れ行きの悪い商品を過剰に発注してしまう」といった事態を防ぎ、常に最適な在庫状態を維持することが可能になります。

4.4 棚卸以外の在庫管理業務も自動化できる

POSレジやアプリのメリットは、棚卸作業の効率化だけにとどまりません。多くのシステムには、在庫管理をトータルでサポートする機能が搭載されています。例えば、在庫が一定数を下回ったら自動で通知してくれる「発注点アラート機能」や、売れ筋商品・死に筋商品を分析する機能などです。これらの機能を活用することで、発注業務の効率化や、より戦略的な仕入れが実現し、サロンの利益率改善にも繋がります。

5. 美容室の棚卸と在庫管理におすすめのPOSレジ・アプリ5選

美容室の棚卸しや在庫管理を劇的に効率化するためには、POSレジや専用アプリの導入が不可欠です。ここでは、数あるサービスの中から特におすすめの5つを厳選し、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。自店の規模や目的に合った最適なツールを見つける参考にしてください。

5.1 無料で始められる「Airレジ」と「Square POSレジ」

「まずはコストを抑えて試してみたい」というオーナー様におすすめなのが、初期費用や月額費用が無料で始められるサービスです。基本的な在庫管理機能を備えており、小規模サロンでも手軽に導入できます。

5.1.1 Airレジ(エアレジ)

リクルートが提供するAirレジは、iPadやiPhoneがあればすぐに始められる手軽さが魅力のPOSレジアプリです。基本的なレジ機能や在庫管理機能が無料で利用でき、商品登録や在庫数の確認、棚卸機能もシンプルで直感的に操作できます。バーコードリーダーなどの周辺機器と連携すれば、さらに作業効率がアップします。

5.1.2 Square POSレジ(スクエアポスレジ)

キャッシュレス決済サービスで有名なSquareが提供するPOSレジです。こちらも初期費用・月額費用は無料で、かかるのは決済手数料のみ。在庫数が少なくなった際に自動でアラートメールを送信する機能があり、発注漏れを防ぎます。シンプルな操作画面で、誰でも簡単に使いこなせる点が強みです。

5.2 美容室特化型で高機能な「Bionly(ビオンリー)」

Bionlyは、美容室・サロン運営に必要な機能がすべて詰まったオールインワンのPOSシステムです。在庫管理はもちろん、電子カルテや予約管理、顧客管理、売上分析まで一元管理できます。店販品の販売履歴が顧客情報と自動で紐づき、在庫数もリアルタイムで更新されるため、棚卸作業の手間を大幅に削減。リピート促進にも繋がる高度な分析機能も魅力です。

5.3 カスタマイズ性が高い「スマレジ」

スマレジは、豊富なアプリ(プラグイン)を追加することで、自店のニーズに合わせて機能を拡張できるクラウドPOSレジです。基本的なレジ機能は無料で利用でき、高度な在庫管理機能や顧客管理機能を必要な分だけ追加できるため、無駄なコストがかかりません。小規模サロンから多店舗展開する大型サロンまで、事業規模の変化に柔軟に対応できるのが大きなメリットです。

5.4 予約システムと連携できる「かんざし」

「かんざし」は複数の予約サイトを一元管理できるシステムとして有名ですが、POSレジ機能と連携することで真価を発揮します。予約情報と会計情報、在庫情報がシームレスに連携するため、予約から来店、施術、会計、在庫管理までの一連の流れを完全に自動化できます。特に、複数の予約経路を持つサロンや、オンラインでの店販品販売も視野に入れているサロンにおすすめです。

6. POSレジ・アプリ導入で失敗しないための選び方のポイント

美容室の棚卸や在庫管理を効率化するPOSレジやアプリは数多く存在します。しかし、どれを選んでも同じというわけではありません。自店の状況に合わないシステムを導入してしまうと、かえって業務が煩雑になったり、コストが無駄になったりする可能性もあります。ここでは、導入で失敗しないために押さえておきたい4つの選び方のポイントを解説します。

6.1 自店の規模や予算に合っているか

まず考慮すべきは、サロンの規模と予算です。個人経営の小規模サロンと、複数店舗を展開する大型サロンとでは、必要な機能やシステムの規模が大きく異なります。例えば、複数店舗の在庫情報を一元管理したい場合は、それに対応したプランやシステムを選ぶ必要があります。

また、コスト面では初期費用だけでなく、月額の利用料や周辺機器(タブレット、レシートプリンター、バーコードリーダーなど)の費用も考慮しなければなりません。無料プランは機能が制限されている場合が多いため、自店に必要な機能と予算のバランスを見極めることが重要です。長期的な視点で総額コストを比較検討しましょう。

6.2 必要な機能が揃っているか

POSレジや在庫管理アプリには、基本的なレジ機能や在庫管理機能のほかにも、予約管理、電子カルテを含む顧客管理、売上分析、スタッフの勤怠管理など、多彩な機能が搭載されています。大切なのは、「多機能=良い」と安易に判断せず、自店の課題を解決するために本当に必要な機能は何かを見極めることです。

例えば、「店販品の販売を強化したい」という課題があるなら、顧客の購買履歴を分析して次の提案に繋げられる機能が役立ちます。将来的な店舗展開やサービスの拡充を考えている場合は、システムの拡張性も確認しておくと良いでしょう。

6.3 操作が簡単でスタッフが使いこなせるか

どんなに優れたシステムでも、現場のスタッフが使いこなせなければ意味がありません。特に、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れなスタッフがいる場合は、直感的でわかりやすいインターフェースのシステムを選ぶことが不可欠です。日々の業務でストレスなく使えるかどうかは、業務効率に直結します。

導入を決める前に、無料体験期間やデモ画面を活用して、実際の操作感を試してみることを強くおすすめします。オーナーだけでなく、実際に使用する複数のスタッフで触ってみて、誰もが簡単に使えるかどうかを確認しましょう。

6.4 サポート体制は充実しているか

システムの導入時や運用中に、操作方法がわからなくなったり、万が一のトラブルが発生したりすることもあります。そんな時に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制が整っているかは非常に重要なポイントです。

電話、メール、チャットなど、どのような問い合わせ方法があるのか、対応時間は平日のみか土日祝日も対応しているのかなどを事前に確認しておきましょう。特に初めてPOSシステムを導入するサロンにとっては、導入後の運用をスムーズに軌道に乗せるためにも、手厚いサポート体制は必須と言えます。

7. まとめ

美容室の棚卸は、正確な利益計算や確定申告に不可欠な業務ですが、手書きやExcelでの作業は時間と手間がかかり、ミスも起こりがちです。この課題を解決する最も効果的な方法が、POSレジや在庫管理アプリの導入です。棚卸作業を自動化することで時間を大幅に短縮し、人的ミスを防いで在庫の正確性を高めます。本記事で紹介した選び方のポイントを参考に、自店に最適なツールを導入し、非効率な業務から解放されてサロン経営を加速させましょう。

お問い合わせ

\LINEでカンタン/
  • 長岡税理士事務所のスタッフが対応します
\電話で問い合わせる/
  • 受付時間:平日 9:00 〜 18:00
  • 長岡税理士事務所にて電話受付いたします
\メールで問い合わせる/
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

美容室のミカタのアバター 美容室のミカタ 美容室の支援実績が豊富な税理士・社労士・弁護士

美容室経営に深く関わる専門家が集い、「専門家を探す手間」「何度も同じ説明をするストレス」「誰に相談すべきかわからない不安」をすべて解消する「美容室のミカタ」。
お金、人、法律に関する悩みのほとんどは、私たちにご相談いただければ、チームの誰かが必ず解決できます。
美容業界を深く理解した私たちが、あなたの悩みに多角的な視点から最適な答えを導き出します。

目次