美容室業界の課題とは?人材不足から経営問題まで徹底解説

東京商工リサーチの調査で2024年1月~11月の美容室の倒産件数が107件となり、これまで過去最多だった2019年の105件を超えたと発表されました。「新型コロナウィルスによる外出制限もないのになぜ今?」と思われる方も多いと思いますが、「外出制限が終わった」ことも一つのポイントになります。

今回は美容業界が今後直面する課題と問題点を解説します。

目次

なぜ2024年に?

なぜ2024年に倒産件数が過去最多になったのか?

2019年に美容室はそれまで過去最多105件の倒産件数を記録しましたが、2018年も95件と歴代最多の倒産件数を記録していました。しかし、新型コロナウィルスが蔓延しだした2020年から倒産件数が78件とガクッと減っています。これは飲食店や美容室などのサービス業を中心に「外出制限」によるダメージを受けた企業への支援金・給付金制度が整備されたことが影響しています。

つまり、2020年~2023年の間に倒産件数が減っているのは、事業が好調であったわけではなく、単に国や自治体によるコロナ関連支援策によって経営が出来ていた美容室が多かったということです。

今後も倒産数が増加する可能性はある

先述したようにコロナ関連支援策によって経営を支えられていた美容室は独自で売上を上げていく必要があります。

美容業界では次に記述するような課題や問題を抱えており、これらを解決できないと今後も倒産する美容室は増加する可能性があります。

美容室業界の課題・問題

出店数の多さと人口減少

美容室業界の倒産数が多い一番の理由は出店数の多さです。令和4年の厚生労働省統計「衛生行政報告例」のデータでは全国の美容室数は26万9889店で、この数はコンビニの約4.5倍の店舗数になります。美容師資格があえば開業できるというハードルの低さが毎年の出店数を増加させている一方で、少子化による人口減少で顧客獲得争いは激化しています。

円安による美容商材・エネルギー価格の高騰

美容室で使用するシャンプーなどの美容資材は海外製の物も多く、円安の影響で仕入れ価格が高騰しています。さらに水道・光熱費などのエネルギー価格も高騰していて、これら必要経費の高騰分を価格転嫁できれば良いのですが、難しい美容室が多いのが現状です。

人材不足と店舗運営の変化

美容師全体の数を見ると首都圏を中心に増加傾向にあります。ただ、スタイリストになる前の「アシスタント」の離職率は増加傾向にあり、人材育成を含めた店舗側の人件費は大きくなっています。

また、人気スタイリストはSNSを使用し個人で活動ができるため、店舗への引き留めが難しくなっております。店舗側もお客様だけでなくスタッフに対しても魅力的な店舗運営を行う必要があります。

倒産した美容室の9割が「小規模」

2024年に倒産した美容室の内訳をみると

  • 資本金100万円以上500万円未満の企業 44件
  • 個人事業主 42件
  • 資本金100万円未満の企業 6件

上記の様に資本金500万円未満の小規模美容室が全体の約90%を占めています。

資本金は会社の体力を表します。美容室だけでなく会社経営は必ずしも順風満帆ではありません。新型コロナウィルスのような有事の際に経営を立て直すまでの間の運転資金は最低でも用意しておく必要があります。

しっかりと事業計画・経営戦略を立てる必要がある

従業員が3名以下の小規模美容室は全体の9割近くを占めていると言われています。その中で倒産してしまう店舗と売上を伸ばす店舗の違いはどこにあるのでしょうか。

小規模店舗でも堅実な経営が出来ている美容室はたくさんありますが、事業計画や経営戦略が固まっていないままで開業している小規模美容室が多いのが現状です。特に初めての開業の場合はしっかりとした事業計画や経営戦略を立てるためにはプロに相談することも重要です。また、個人事業主や個人経営の美容室オーナーにとって経営不振や運営で困った際に相談できる人がいることは心の支えになります。

長岡税理士事務所では美容室の開業サポートだけでなく、日々の経営や業務など「美容室の悩みのトータルサポート」も行っています。

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この記事を書いた人

美容室のミカタのアバター 美容室のミカタ 美容室の支援実績が豊富な税理士・社労士・弁護士

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