コロナの影響により急激に売上を落とし、資金繰り悩む中小事業者が増加しています。
そこで、「資金繰りの考え方の基本を学び、資金繰り対策を検討したい」という方に向け、分かりやすく解説します。
<STEP1> 資金繰りのスタート
最初は自分のお金を事業資金として通帳に入れて資金繰りのスタートとなる。
- 会社であれば ⇒ 資本金
- 個人事業者であれば ⇒ 元入金
と、呼んでいます。
<STEP2> 資金繰り要因分析
資金繰り良くなるか悪くなるかは、下記の2つの要因があります。
1 売上の増減
売上が増加すれば、お金が沢山入ってくるので資金繰りは良くなる。
売上が減少すれば、お金が少なく入ってくるので資金繰りは悪くなる。
= 量的着目点
2 取引条件の良し悪し
売り上げたお金がすぐに入ってくる、資金繰りは良くなる。
売り上げたお金がすぐに入ってこない場合、資金繰りは悪くなる。
= 期間的着目点
この2つをミックスさせて考えなければいけないのが「資金繰りの基本」です。
<STEP3> ケース
では、実際にケースを使って考えてみましょう。
<前提取引条件>
売上 | 300 | 1月毎・回収 |
仕入 | 250 | 1月毎・支払 |
⇊
5月 | 通帳月末 残350 | 売上300 - 仕入250 = 50 |
6月 | 通帳月末 残400 | 売上300 - 仕入250 = 50 |
7月 | 通帳月末 残450 | 売上300 - 仕入250 = 50 |
■ケース1
5月から取引額の変更はないが、取引条件の変更の要請があり受けた。
売上 | 300 | 3月毎・回収 |
仕入 | 250 | 1月毎・支払 |
4月 | 通帳月末 残300 |
⇊
5月 | 通帳月末 残50 | 売上0 - 仕入250 = ▲250 |
6月 | 通帳月末 残▲200 | 売上0 - 仕入250 = ▲250 |
6月の時点で資金ショート
同じ売上、利益なのに取引条件が変更になっただけでこの時点で事業は終了。
これが資金繰りの怖さです。
■ケース2
5月から取引条件の変更の要請があったので取引額のアップを条件に要請を受けた。
売上 | 400 | 3月毎・回収 |
仕入 | 250 | 1月毎・支払 |
4月 | 通帳月末 残300 |
⇊
5月 | 通帳月末 残50 | 売上0 - 仕入250 = ▲250 |
6月 | 通帳月末 残▲200 | 売上0 - 仕入250 = ▲250 |
6月の時点で資金ショート
ケース1も、ケース2も、同じですね。
黒字倒産という言葉を聞いたことがありませんか?
まさしく売上増加時のこのようなケースよく見受けられます。
<STEP4> 結論
資金繰りのこつは、早くお金の流れをつかむ事です。
その為には、資金繰り表の作成をお勧めします。